私達が施工業者として勉強する中で、今年は世界的にも変化していくスピードがさらに加速しているような気がします。そこに当然日本も引っ張られる状態にあります。
三幸住宅としては、工務店として可能な限り多くのお客さまに、高い性能の家を少しでも安い価格で提供できるように努力を続けてきました。
私はいつも性能の高い家以外は、住まいとして適さないと思っています。
私の家造り、もしくは三幸住宅の家造りは、造り手が住みたい家以外は(性能という意味では)造らない、というか造れません。
家造りに限らず、物づくりを仕事としている人なら、皆さんそうでなければならないと思います。
自信の持てない物は、お客さまに売ってはいけないのです。
なぜ、そこまで言うのか?
これを読んでいただいている方々には分かっていただけると思いますが、日本でも100年に一度と言われるような自然災害が毎年来てしまうような時代……。
私達三幸住宅の本拠地、ここ川越も昨年は台風24号にやられ、今年は19号による大水害と、大変な被害を受けました。
幸い私の家は少ない被害ですみましたが、私達のお客さまの中には、これらの災害で大きく被災してしまった方もいらっしゃいます。
私達住宅業者も不眠不休で対応しますので、その大変さ、悲惨さは身にしみて感じます。(これでは私達対応する側が倒れてしまうと思うほど……。)
私達人間がどれだけ進歩して策を講じても、自然はその想像を上回る力で世界中にダメージを与え、命を奪います。
いま世界では、自然を相手に起こった災害に対して、知恵と技術で対応するのではなく、地球を少しでも昔の環境に戻すための知恵と技術で対応を迫られています。
そのひとつとして今年世界中で話題を集めた、スウェーデンのグレタさんが訴えている温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出量をできるだけ抑えて、世界の平均気温を産業革命前と比べて+2℃未満にしなければならないということです。
手遅れになる前に(まだ手遅れではないことを願います……)なんとか世界中、できれば同時に手を打たないと、もう人間では自然に太刀打ちできなくなるかもしれません。
そんな中、日本も世界と温室効果ガスの削減目標を約束しているにも関わらず、結局全然対応し切れていないという現状……。
世界に比べて日本はこの手の報道やニュースは極端に少なく、私達国民の意識の低さはひどいものです。
しかし、これだけ日本で毎年大災害が続けば、さすがに他人事(対岸の火事)ではないはずです。
私はこの建設業界で世界の気候変動を一番に考えて、お客さまに提案しているわけではありません。
お客さまも、同様に地球環境を一番に考えて家を建てる方はなかなかいないと思います。
一番に考えなければならないのは、
私達施工側は、いま目の前にいらっしゃるご家族を予算内でどう守れるのか?
お客さまは、自分が守らなければならない大切な家族を、具体的にどう守るのか?
ということです。
これからの家はどんなこと(災害)が起こっても対応できるような家を造り、日々快適、健康に過ごしていき、それを尚かつできるだけ少ないエネルギー(省エネ・創エネ)で持続させるかということが一番の目標です。
こういう家が増えることによって、結果として温室効果ガスを減らせるような世界に近づき、地球環境にも貢献できるといった循環を作ることが、私達住宅業界の使命だと思います。
この様なことを考えながら日々仕事をさせていただいている、私達三幸住宅が今年一年お客さまにどんな家を提供してきたかというと……
UA値 = 0.36 W/m2K
Q値 = 1.28 W/m2K
C値 = 0.4 cm2/m2 (中間気密測定時と竣工気密測定時、2回の平均)
※すべて平均
ということになりました。
各数値をもっともっとグレードアップさせなければいけないと思う反面、性能を上げればコストも当然上がってしまいます。
この部分を日々の努力で少しでも多くのお客さまに、手の届く価格で提供するのが私達の使命だと思って、来年もまた勉強しながら測定なども繰り返して、がんばらなければならないと思っています。
今年一年お世話になりました、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
代表取締役 新井 克典