社長が現場で日々思うこと

平成31年 5月

最近ちょっと面白いことをやっているので、今月は社長に変わり大澤が書かせて頂きます。

 地震などの揺れに耐える耐力壁の量や、梁の大きさ、柱が抜けないようにする金物等は構造計算をして出しています。
 プランニングが決まれば、梁のかけ方や細かい納まり等をプレカット屋さんと打合せをして軸組を決めていきます。
 その軸組を元に構造計算をかけ、修正していきます。

 今回の物件は耐震等級3をとるので、その設定で計算していきます。
 図面を入力して計算していくと、問題が・・・。
 ダクト式一種換気のダクトを通したいところの梁が、成420ミリになりました。これではダクトが通らない!
しかし、小さくすると弱くなってしまうので出来ません。材種を変えてもいくらも変わらない・・・。そして、ダクトも動かせない位置にある・・・。
 そこで、梁の組み方を考え直しました。
 梁の長さが特注品にならないよう(コストが上がるので)に組み方を変えて計算したら・・・小さくできました!成180ミリになり、これならダクトも通ります。コストも無駄に上がらず解決する事が出来ました。
 また、ロフトに柱を立てないといけないのですが、なるべく少なくしたい。でも梁や母屋が垂れてくるのもダメ。という問題点も、計算により柱の本数をなるべく少なくして、ジャマになりにくい所に配置しました。
構造計算で正確な数字が出て、耐震等級も取れます。また、リフォームでは、構造計算で培ったカンを活かし、「この梁を補強すれば、この柱が取れて広い部屋に出来ます。」「しかし、あの柱をとるには梁の補強にコストが掛かります」などがちゃんと言えます。



 高性能住宅に住む人の感想として、

・家のどこにいても温度が変わらない。
・子供が風邪ひく回数が減った。

などがありますが、

・冬の乾燥が気になる。

という声も聞きます。

 体感の乾燥は、相対湿度が重要になります。冬の外の空気を室内へ取り込むと、室内ではエアコンなどで温められ相対湿度は下がります。
 例えば、温度3.7℃・相対湿度49%(2018年1月の熊谷の平均)の空気を22℃まで温めると相対湿度15%になります。結構乾燥していますよね。
 この22℃・15%の空気をインフルエンザウイルスの生存率が低くなる相対湿度50%にしようとすると、0.0058kg/kg(DA)(乾燥空気1kgに、0.0058kg)の水が必要になります。
 ・・・わかりにくいですよね?そこで、中学生の時に見た「湿り空気線図」でお話しすると、
となります。
 「それなら、一度50%まで加湿したらずっと快適じゃないの?」
 いいえ、ずっとは続かないのです。住宅では24時間換気が義務付けられています。
 皆様は・・・呼吸しますよね?その呼吸で二酸化炭素が増えます。二酸化炭素が増えると頭がボーッとしたり、あくびが出て眠くなったりしてきます。そのため、1時間で家全体の空気を0.5回交換しなくてはいけません。
 その24時間換気で常に外の空気が入ってきて、室内の空気が乾燥してしまうのです。

 湿度を上げるには、加湿器を置けば解決します。
 しかし、家電屋さん等で「カワイイから」「オシャレでお部屋のインテリアに・・・」と選んだら、いまいち湿度が上がらない。という方がいます。
 加湿器によって加湿能力が違うので、その家にあう加湿能力を選ぶ必要があります。

その為、その家が1時間に失われる水の量を計算しました。
 その家のデータの

・家の体積
・換気回数(換気計画により0.5回/hではなく0.6回/h、1.0回/hと変わった時の為に)
・室外の温度・湿度(2018年の月ごとの気象データから引用しています)
・室内の目標温度・湿度
・何人家族か

を入れると、自動計算で

① 24時間換気で変化する室内の水の量
② 上記の物に、人体から出てくる水の量、洗濯物を部屋干しした時の水の量も考慮したもの

の2種類の「1時間でどのくらい加湿すれば湿度が維持できるか」がわかるようにしました。
 これを加湿器選びに役立ててもらえば、買ってからの後悔が少しでも減らせて、快適な室内環境づくりに貢献できると思います。

 また、これを応用して夏や梅雨時期の除湿量の計算もできます。

お客様が安心して快適に住める家を造るため、先月の記事の様に水屋を造れる大工技術を磨くと共に、構造計算や断熱計算、加湿量計算等も行っています。

平成31年 4月

今月の「社長が現場で思うこと」は4月に完成した水屋について、この水屋に最初から携わり設計・墨付け・加工をしていった、大澤が書かせていただきます。
ある日、付き合いのある材木屋さんから電話がありました。
「この前の台風で神社の水屋が倒れちゃって、元々やっていた大工さんは高齢だから出来ないと言われたんです。さらに、他の工務店さんにも出来ないと言われちゃって・・・。」
この前(2018年秋)の台風は大きいのが2回も来ましたからね・・・。なかなかお声がかかるような仕事ではないですし、本当に困っていらっしゃったので、お請けすることにしました。
現場へ倒れた水屋を見に行き、いろいろとお話を聞いてきました。(見に行ったときには少し片付けてあり、細かいところは分からないところもありましたが。)
元々100年は経っていたのでしょうか、柱の根元が腐っていて、補修されていました。(根接ぎのように根本的な補修ではなく、根腐れ部分を板で囲み、板金で巻いていました。)
長年にわたり雨風にさらされ弱くなっていたところに台風が来て、倒れてしまったのだと思います。

■復元しつつ新築設計

まず、倒れた屋根部分の寸法を採り、写真を撮りながら解体しました。
また、建っていた頃の写真が数枚残っていたため、解体するときに撮った写真と合わせながら、昔の水屋の図面を描きました。
なお、基礎の石は、そのままです。

施主のご希望で柱は6寸(18cm)角というのは変えないとのことでした。
斗組(ますぐみ)や蟇股(かえるまた)は使えれば使って欲しいということでしたが、倒れたときに壊れてしまったものもあり、補修して新しい材料に合わせて加工し直さないと使えません。
そうなると、時間とお金がたくさん必要になります。そのため、斗組などは使わないことになりました。
しかし、斗組をなくすと6寸角の柱の上に幅3寸5分(10.5cm)の桁がのります。同じ幅なら違和感はないのですが「柱は6寸がいい」とのこと・・・。
格好良いものが造りたい、しかし費用はかけられない、と考えに考えて、舟肘木を入れることにしました。
頭でイメージし、CADで描いてもバランスはとれました。

■原寸図を描く

全体のバランスの再確認、細部の納まりの確認のために1/1スケールの原寸図をベニアに描きます。
柱が垂直ではなく、内側に転ぶ「四方転び」になっているため、柱がひし形になり、垂直な長さ(高さ)と柱の長さが変わります。
そのため、柱の展開図を描きました。また、破風廻りも原寸に合わせて製材するので、破風廻りの原寸も描きました。

■墨付け・加工

天然乾燥の大きい材料がなかったため、丸太を人工乾燥にかけていきます。
しかし、割れるんです。背割りを入れても、違うところで割れるんです。
その難しいところをなんとか用意してもらい、失敗したら材料を探すのに時間がかかり工期が、というプレッシャーの中、慎重に加工していきました。
四方転びでは柱の根柄の外側に力がかかるので、根腐れしても踏ん張れるように、そこにステンレスのボルトを入れました。

■現場

加工がすべて終わると現場にて上棟していきます。
破風を受ける桁の部分や茅負いなど、現場にて加工しながら、どんどん組み上げていきます。
ほとんどが、化粧で見える部分なので慎重に、丁寧に扱いながら、仕上げていきます。

■板金工事

木工事が終われば板金工事です。
銅板で屋根を葺き、棟飾りをつけて完成です。

平成31年 3月

今月は高校生のインターンシップ(就業体験)についてお話ししたいと思います。
今年の1月に埼玉県から1枚の感謝状が私の会社に届きました。
これは、未来の建築・建設業界を担う工業高校の生徒を毎年数日間私の会社でお預かりして、現場で生の空気感の中で一緒に働いてもらうという試みです。
しかし、私達受ける会社側も大変な部分もあります・・・。

「万が一怪我をしたら・・・」や、現場仕事(野外の重労働)なので過酷な暑さ、寒さもあり「具合が悪くならないか・・・」など、よくその子達を見てあげないといけないという責任があります。

しかし、それでも高校生が私達の業界に興味を持ってくれることはとても素晴らしく、私達も嬉しいことです。
ただでさえ、この業界は人手不足で大変です。ましてや、大工職人という意味での卓越した木工技術は、ここ川越エリアもかなりのスピードで失われています。
これはとても悲しいことで、手仕事技術というものは、一度失われてしまうとなかなか取り戻すのが難しくなってしまいます。
私達三幸住宅は一般的な工務店よりも、手仕事の量はかなり多い方です。
手仕事が多いということは、手間がかかるということ。その結果としてコストUPにはなりますが、それでも私達は自分達がいいと思うものを造り込んでお客さまに納品したいという気持ちが強いので、分かっていただけるお客さまにだけその商品・技術を買っていただければ良い、というぐらいの気持ちで建物を造っています。

最近では、この業界も女性が大工職人になりたいと希望するケースも多くなり、インターンシップに来てくれる子も、うちの会社では男女比が半々くらいになっています。
いまの子達を毎年見ていると、心なしか女性の方がいろいろとしっかりしているように思います。
私自身もいまの時代は「この仕事は男性」「この仕事は女性」と決めない方がいいと思っていまして、それよりもいかにやる気があるか?の方がとても大切だと思っています。

私の会社は小さいですが、一企業として、これからの時代に向けてこの業界の担い手を少しずつ育てていくのも大切な役割ではないのか、と日々思っています。

平成31年 2月

今月は「2018年 住宅コンテスト」授賞式についてお話ししたいと思います。
日本では毎年のように色々な住宅コンペがおこなわれています。
(※コンペ → コンペティションの略 → 競争、競技会、優劣をつけること)

それらは省エネ性を競うもの、デザイン性を競うもの、設計力を競うもの、リフォーム力(リノベーションなどの生活の可変性)を競うものなどなど、多種多様にわたります。
その中で今回私達が応募したような、日本中の工務店、設計事務所、ハウスメーカー問わず、かつ応募総数何千というコンペは少ないと思います。

私もいつかこの様なコンペに応募したいと思っていましたし、三幸住宅の家づくりを手伝ってくれている協力業者の仲間にも「三幸さんは出すべきだ!」というお言葉は何年も前からいただいていました。
しかし、このコンペに応募することはそう簡単ではないことが、なかなか応募できなかった理由でもあります。
これは私だけではなく、これからこの様なコンペに挑戦しようとする人達にも同じことが言えます。

まずは写真です。
1次審査、2次審査の書類選考は写真が大切なので、自社でデジカメ・スマートフォンで撮影したような物ではかなり厳しい・・・。
幸いなことに、私達三幸住宅は竣工アルバムを全棟制作していて、プロのカメラマンに毎回撮っていただいているのでなんとかなったのですが、普段そうしていない会社は、あえてプロのカメラマンを頼んで竣工写真を撮らなければならないでしょう・・・。

次に文章です。
コンペに応募する際、1物件に対して最大20数枚までの写真を提出することが出来ます。10枚や15枚など、その数より少なくても良いのですが、枚数が少ないと審査員に対して造り手の思いが伝えきれません。そのため、最大枚数の写真を提出したいのですが、写真1枚に対して200~400文字の説明文も一緒に添付するため、これがまたひと苦労となります。造り手の思いを1枚1枚すべて書いても良いならまだ楽なのですが、これを200文字以内、400文字以内と言われてしまうと、その文字数に伝えたいことを収めるのが非常に大変でした。

私自身も極力現場に出ている大工工務店ですから、まず応募できる状態にするのに朝と夜、日曜日などを使いながら、今回はなんとか応募の締め切り「ギリギリ」ですべり込み、間に合わせることが出来ました。(※たまたま応募締め切り間際の竣工になってしまった物件はキツい・・・。)
結果的に今回三幸住宅としては「新築部門」で「地域最優秀賞(埼玉県ナンバー1)」をいただく事が出来ました。
これは、この物件のお客さまだけではなく、いままで三幸住宅が手掛けることが出来たお客さますべてに喜んでいただけたこと、またお客さまの希望する家をなんとか「カタチ」にしようと必死に頑張ってくれた各職人達、そしてこの物件に関わったすべての人達の気持ちに報いることが出来たと、私自身嬉しく思います。

2019年の1年間は、ホームページで私達職人の誇りとして掲げさせていただきたいと思っています。
私達は規模こそ小さい会社ですが、1件1件、一生懸命造っていこうと思っています。その結果いつか、日本一となれるように、私自身技術面、住環境理論とも向上できるように、日々精進してまいります。
三幸住宅 新井と大澤
LIXIL担当営業マンと一緒に
受賞会場の外ロビーにて(横浜ロイヤルパークホテル)
審査員紹介

平成31年 1月

 家づくりのメリットもデメリットも理解して、家づくりを「科学」で「家楽」する、家楽くらぶを始めます。 たとえば、このような事で悩んでいる方におすすめです。

■ いまは工事の予定がないけれど、家のことに興味があって、いろいろ気になっている。
→ 気になっているところ、お答えします。
■ いまA社とB社に新築を見積もってもらっているのだけれど、仕様も違えば値段も違う・・・。暖かくて住みやすく、格好の良い家が欲しい。なにを選べば良いの?
→ セカンドオピニオンのように、いろいろ確認できます。自分の会社の押し売りはしませんのでご安心ください。
■ いろいろな施工業者と話をして、勉強もしてきたけれど、いろいろありすぎて、結局何がいいのか分からなくなってしまった。
→ 自分の会社の仕様だけを良く言ったりはしません。分からないところを、一つ一つお話しします。
■ そろそろお風呂を交換したい。子どもが大きくなったから部屋をリフォームしてみたい。でも、どういうところに気を付ければ良いの?いろいろ聞いてみたい。
→ もちろん、リフォームをお考えの方もお越しください。
営業エリア:川越市・ふじみ野市・狭山市・鶴ヶ島市・坂戸市・川島町・上尾市・さいたま市・富士見市・志木市・朝霞市・和光市・東松山市・三芳町など埼玉県全域
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