社長が現場で日々思うこと

令和2年 5月

 冬は室内が乾燥気味になります。水分量の少ない空気を暖めるので、湿度(%)は低くなります。例えば、4.5℃49%の空気(昨年1月の平均)を20℃まで暖めると17.6%、22℃まで暖めると15.6%になります。
 そこで、加湿をするために加湿器を使います。
 その加湿器の上手な使い方が一つ見つけられたので、今回の「社長が現場で日々思うこと」の場を借りて、大澤に紹介させてください。

 冬に、エアコンで20~22℃に、加湿器で50%以上にする事は出来ました。しかし、問題が1個発生しました…。
 雨の日などの外の絶対湿度が高い時、家の中の湿度が60%を超える事があります。
 (2020年3月30日のグラフを参照してください。)
 その時だけ手動でON/OFFというのも手間がかかる。忘れちゃう…と思い、考え、調べました。

 任意の湿度に調節するのは、私の思いつく範囲ではこの3点の方法です。
①湿度センサーで電源をON/OFF
②IoTで湿度計とプラグを繋げ、ON/OFF
③湿度調節が出来る加湿器を選ぶ

①湿度センサーで電源をON/OFF

 湿度センサーは、コンセントでON/OFFするので、使用した加湿器とは、相性がいいです。コンセントを差してスイッチを押さないとONにならない加湿器とは相性が良くないです。
 加湿器の近くで湿度を測ることになります。(延長コードでつなげば遠くでも出来ますが)

②IoTで湿度計とプラグを繋げ、ON/OFF

 ①を遠隔操作でやるイメージです。任意の場所に温湿度計を置き、そこの湿度で設定できます。Wi-Fiがないと繋げられません。
 温湿度測定もしたかったので、今回はこれを採用してみました。温湿度計・プラグを同じメーカーで揃えられるので「SwitchBot」というメーカーのものを買いました。

③湿度調節が出来る加湿器を選ぶ

 中には、湿度によってON/OFFできる機種もある様です。しかし、自動給水の装置との相性が悪いのもあるので使えるかどうか…。


 採用した②のIoTの話を少し詳しくします。
 湿度計とプラグはそのままでは連携出来ていません。Wi-Fiに繋ぎ、スマホアプリを通じて連携させなければいけません。温湿度計・プラグなどはメーカーごとにスマホアプリが分かれています。そのアプリはGoogle home、Alexaというアプリで、違うアプリ同士でも連携する事が出来ます。
 しかし、違うアプリ(メーカー)でやってみたのですが、Google homeでは、温湿度計の温度は出来ても湿度は連携出来ない。照明リモコンのON/OFFは出来ても調光が出来ないなど、連携できない事が多かったです。
 その為、同じメーカー(=アプリ)の中で温湿度計、ハブ、プラグを揃えなければいけません。なので、今回は「SwitchBot」というメーカーで揃えました。
そのアプリの中で、
・「湿度が50%以下」で「プラグON」(=加湿器ON)
・「湿度が55%以上」で「プラグOFF」(=加湿器OFF)
という「シーン」を設定します。
 これにより、加湿器による加湿し過ぎになることはなくなります。
3月30日の下加湿器を最弱にしているのですが、湿度が65%付近になっている時間があります。寝室ロフトを除き、低い時間でも57%です。これでは湿度が高すぎてしまいます。

4月25日の下お風呂の加湿を利用していますので、19時頃から1階脱衣場を中心に湿度が上がり、朝まで加湿が効いているのが読み取れます。
その後は湿度50%~55%になっています。
上下階のエアコンの設定の調節が上手くなり、温度のブレが少なくなっています。
スマートフォンのSwitchBotアプリの「シーン」設定画面
 この加湿器を置いた物件は、新築してすぐなので、基礎コンクリ―トからの水分の影響が考えられます。概算で計算すると、1時間当たり0.42㎏の水分が出ていることになります。床下も機械で換気していますが、室内への影響は大きいはずです。
 また、お風呂による加湿の効果が大きく、その時間は加湿し過ぎ(60%以上)になります。
 今後の課題は、お風呂による加湿を考慮して、湿度が上がりすぎない様にする事です。
 お風呂の温度・湿度を有効利用して、加湿器の電気代も少なくなるメリットもあります。
風呂に湯をためる時間は加湿器がONにならない様に
・「湿度が50%以下」で「プラグON」「23:00~18:00の間」
・「湿度が55%以上」で「プラグOFF」
・「時間が18:10」に「プラグOFF」
とすれば、18:10~23:00はプラグがONになりません。
 加湿しすぎない様に、この時間を調節していきます。約2年後基礎からの水分が少なくなるはずなので、その時また微調節をしていこうと思います。

 加湿器をIoT化して、湿度50%程度をキープする事で、インフルエンザの空気感染しにくくなり、免疫力も上がり、健康に住める家づくりに一歩近付けられるようになりました。

令和2年 4月

今月は、インテリアの色についてお話します。
現在、コロナウイルスの影響で在宅勤務の方が多くなってきていますが、
室内のインテリア(クロス・カーテン・家具等)の色によって仕事のはかどり方も
変わってくると思います。

気持ちをクールダウンさせ、精神的にも肉体的にもリラックスし、安定した状態を保つ事ができます。
また、集中力を高めることも出来るので勉強部屋や書斎など知的な作業を行う空間に適しています。
デスク周りに青色の物を置くと仕事がはかどることも。
例)トーマス・ドラえもん

青とは逆に気持ちが高ぶり脳を活性化する時におすすめです。
短い時間でいっきに作業を片付けたい時はいいのですが、集中力は続かないので長時間作業より短時間作業に向いている色です。
強いエネルギーをもつ赤は魔除けの色として用いられ、神社の鳥居などにも使用されています。
例)ジェームス・ムック

茶色は落ち着きを感じ安心感をもたらす色で木の色に近い色なので、本能的に安心できる色です。
親しみやすく飽きがこない色です。
例)トビー・どうもくん

明るい黄色には体に刺激を与える作用があります。
脳を刺激してアイデアが欲しい時に閃きを与えてくれるかもしれません。
反面、個性が強く目や精神を疲れさせてしまうので、アクセントなどで使用するのがよいでしょう。
例)カーリー・ピカチュウ

気持ちを穏やかにして、ストレスを和らげる時におすすめ。
目に負担をかけない優しい色なので、長時間に渡ってパソコンやスマートフォンを使用した後は、緑のものを見ることがおすすめです。
例)パーシー・ガチャピン

室内の色を変えるのは中々大変なので、パソコンのデスクトップの壁紙をかえたり、筆記用具や小物の色をかえるのもおすすめです。
※子供の好きなトーマスやその他アニメキャラクターもそんな意味もあるのでしょうか?

令和2年 3月

今回は、ZEHと家づくりで考えていただきたいことを大澤が書かせていただきます。

2019年度のZEHの5時募集が終わりました。
2020年度は、2019年度より金額は変わりますが、補助金は出るようです。
ZEH+Rというものも2019年度から出ていました。
ZEH+を満たした住宅に、停電時のレジリエンスを強化した住宅です。
停電時でも、リビングで非常用コンセントか蓄電システムから、電気を使えるようにしなくてはいけません。
また、蓄電システムか太陽熱温水システムを付けなければいけません。
詳しくは「平成31年度の経済産業省と環境省のZEH補助金について」をご覧ください。
太陽光パネルを載せて補助金がもらえれば、ZEHでもZEH+Rでも売電期間の10年で元が取れるというわけではないかもしれません。
それは、住まい方による電気の使用量、断熱性能による光熱費の違いなどが各家庭で違ってくるからです。

太陽光パネルや太陽熱温水システムなどの創エネルギーシステムを住宅に取り入れることは、一次エネルギーの削減に繋がります。
電力会社の発電量にも関わってくるのではないでしょうか。
そして、それは地球の環境にも関わってくるのではないでしょうか。
子ども達が、この先50年、80年住んでいく環境に……。

これから新築やリフォームを考える方は、太陽光パネルを載せたZEHではなくても、断熱性能はちゃんと考えていくべきだと思います。
埼玉県は、秩父の一部が4地域で、5地域と6地域からなります。
この表にとらわれず、間取りや窓の大きさ、仕様、断熱材を検討し、UA値0.4をきる程度に出来ればと思います。
また、気密性(C値)もちゃんと考えてつくり、0.5はきりたいと思います。

沸かしたお湯をとっておくのに魔法瓶に入れますか?それともヤカンに入れておきますか?
どちらが長い間お湯が冷めないでしょうか?
UA値0.4というと、魔法瓶と言えます。また、機密が良い家と良くない家では隙間からの漏気で足元が冷えやすくなったりします。
他にもいろいろ良くないことがあります。例えば、窓を開けて(機密を悪くして)エアコンをかけませんよね?

高性能住宅であれば、29日の雪の日でも家の中は快適な温度を保てます。
UA値0.28、C値0.26(完成時)の住宅では、家中ほぼ同じ温度で、リビングでは21℃60%でした。
リビングも廊下も脱衣所も同じように暖かいというのは、ヒートショックにもなりにくく、
体の免疫も向上しますし、とても快適です。

家づくりでは色々と考えることも多いですが、ZEHなど住宅性能も考えて、造っていくべきだと思います。

令和2年 2月

今回は本来の大工職人の仕事とは何なのか?というお話をしたいと思います。

皆さんは「大工さん」と言われたらなにを想像しますか?

のこぎり(鋸)?カンナ(鉋)?ノミ(鑿)?それとも木に墨を打ち穴を掘ったり、仕掛け(仕口)を造ったりですか?

戸建住宅やマンションであれば各部屋、店舗などで木を材料として仕事をしている人を一般的には大工さんと呼んでいますし、
造っている人達も自分は「大工だ」と言うはずです……。

現在日本の建築(※特に住宅)に関しては、それがたとえ木造在来工法だとしても大半はすべて加工済で寸法通りに切られ(カットされて)現場に納品されます。
それは家の柱、梁などの骨組みはもちろん「床の下張り」「屋根の垂木、角木、下地ベニア」「室内のドア枠や窓枠」そして天井下地や壁まで切られていることもあります……。

そして現場で仕事をしている大工さんと言われている人は、それをプラモデルのように番号などを合わせドライバーで組んで取り付けるだけ……。
もちろん、カンナ、ノミなどは使うことはなく、玄翁(トンカチ)すらあまり使う必要がなくなっている状態(ドライバーと釘がロールで入っている鉄砲があれば基本的には充分)
これを大工職人というのでしょうか?
私には解りません……。

それはもちろん現場で一生懸命施工している人達が悪いわけではありません……。
そもそも誰も悪くないと思っています。

仕事といわれる物には、何の仕事でも需要と供給で成り立っているので、現在の住宅に昔(とは言っても少し前までの)大工の手技に対しての価値を望む方(お客さま)が激減していることがすべての要因で、それよりも「安さ」「工期の短さ」「デザイン」「性能面」などに需要が流れるので、そこに追従して住宅が供給されます。
仕方のないことです……。

それでも私も「大工職人」だと自分では思っている1人なので、これだけ凄いスピードで技術が失われていくのを目の当たりにすると、危機感を感じます。
この先、本来の「大工」という職業は絶滅危惧職になることは間違いないでしょう……。それも、思ったよりも早く……。

職人というのは、見伝と口伝が基本になり受け継がれるので、親方が知らない仕事は弟子に伝えられるわけもなく、一度途絶えてしまうと基本的には、二度と戻らないというのが手技です。

そのため、私達40代半ばの大工職人最後の世代(墨付け、刻み、カンナ削り、ノミ掘り、曲尺などを10年以上やった世代。それよりも若い世代はなかなか基礎から教えてもらうことがなくなってしまった世代。)が頑張って少しでも技術維持と向上を考えなければならないと、勝手な使命感を持っています。
そして、三幸住宅の現場では各現場できるだけ、サービスとして大工技術を使う仕事を少しでも入れるようにしています。サービスとしてであれば、お客さまもそれを喜んで望んでいただけます。

ほんの一部ですが、それらはこんな仕事です。

■和室、格天井、廻り縁、きざみ
■竹竿加工
■茶室、入口屋根、刻み、光付け
これができたからと言って、何の自慢にもなりません。そもそも大工であれば当たり前の事……。

しかし、こんな事すらできる大工職人が激減していることは事実です。
少なくとも、ここ川越では技術の全滅を避けられるように、私達三幸住宅だけでも日々努力をしていきます。

令和2年 1月

あらためまして、あけましておめでとうございます。
新年の令和2年最初のお話しは……

人(家族)にとって、家(住まい)とはいったいなんだろう……という話をさせていただきます。

「いまさら?」と思う方も多いかと思います。それも当然。
私もこの業界で28年目になり、いくつもの新築・リフォームをやらせていただきました。

この業界に大工として入って、1年目は1年目の、5年目は5年目の、10年目には10年目の……そして28年目には28年目の(+いまでは社長としても)思い悩むことがあります。
10年目くらいまでの悩みは、ほとんどが技術面やお客さまとの打ち合わせの話し方、伝え方などの自分に向けての悩みでした。

それ以降は、私達施工側の人間は何のために存在しているのか?お客さまが本当に幸せになれる家を造れているのだろうか?などの、自分達が存在しなければならない理由を探し続けている日々のような気がします。

私がこの業界を辞めても、世の中はなにもなかったように家は造り続けられることはわかっています。しかし私達三幸住宅を頼ってきてくれる方々もいます。それが、私達がこの業界で日々闘わなければならない理由のひとつだと思っています。

ひと言で家を造る(新築・リフォーム)といっても、中身は本当に多種多様……
「安いだけ」「デザインだけ」「お客さまの言いなりの間取り」「耐震等級もあまり気にしていない」「省エネ性は解らない」などなど。
もう片方では……
「高性能住宅やパッシブハウスしか造らない」という会社も多くなってきました。

「どれがダメ」とか、「どれでなければいけない」という事は問題ではないと思っていまして、問題は「施工側・設計側がどれだけ勉強をして、思いを持ってお客さまに細かく伝えられるのか」
そして、これから家を建てようとする方々がいろいろ知った上で、自分達の一生のパートナーになるであろう施工業者を決めていく……というのが、一番良い家づくりだという確信はあります。

最近は国も積極的に住宅に対する方針を打ち出してきていますが、この国の対応にはいろいろな思惑があります。
「CO2削減」や「超高齢化社会」による国レベルの不具合(自然災害、エネルギー問題、医療費や介護費の増大などなど色々)が生じているからです。

国が動き出すと、マスメディアもこの類のことを取り上げることも多くなります。
住環境に関しては、週刊文春や週刊新潮などの記事も増えてきています。例えば週刊新潮1月30日号では、

この中では健康と住環境の関係が特集されています。
私も川越レベルでの住宅業者の中では一番勉強しているという自負はありますが、こういった記事の中には必ず新しい情報やデータがあるので、できるだけ吸収するようにしています。

今回は「室内の温度が人の血圧にどれくらい影響をあたえているか?」というデータでした。
簡単に紹介すると……

(高血圧対策治療ガイドラインによる血圧を下げる対策として)
・減塩 ・野菜や魚の摂取 ・減量 ・運動 ・禁煙
などが推奨されているが、もしこのことを気にせず生活しても……
血圧はせいぜい2〜3mmHg上がる程度
たとえば、血圧を下げる薬を飲んでいる人が、薬を飲み忘れても5mmHg上がる程度

しかし……
平均的な生活習慣の80歳男性で、室温が10度下がった環境に身を置くと、10.2mmHg血圧が上がるというデータがありました。

これだけ具体的な数値で比べてみると、一番大切なのはやはり住環境ではないか?とすら思います。
どんなデータを調べても家の性能向上は、人にとって(家族にとって)いいことしかありません……

ただ、ひとつの壁はコストUPです。
このコストをどの様に一般のお客さまに手の届くところまでもっていくかは、私達施工業者・設計者の技量です。

性能は当たり前として、いかに「デザインをよくするか?」「お客さまが望む生活ができるのか?」
日々「考え」「悩み」そして「実践」していますし、私自身もその一環として「家楽くらぶ」などで一般の方向けに家づくりでの最低限守っておきたいことなどをより多く、広く伝えるような活動をしています。
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